つみたて米国株式とは?投資信託との違いと始め方

著者: Single Stock編集部公開日: 2025/11/21

つみたて米国株式とは何か

「つみたてNISAで米国株に投資したいけれど、どうすればいいの?」「投資信託と個別株、どちらを選べばいい?」と悩んでいませんか?

つみたて米国株式とは、米国株式に定期的に積立投資を行う手法です。ドルコスト平均法により高値掴みのリスクを軽減でき、少額から始められるため、初心者にも適した投資方法と言われています。

この記事では、つみたて米国株式の仕組み、投資信託と個別株の違い、つみたてNISAと新NISAの活用方法、メリット・デメリット、そして具体的な始め方を解説します。

この記事のポイント:

  • つみたて米国株式にはインデックスファンド(投資信託)と個別株の積立の2種類がある
  • つみたてNISAでは投資信託のみ購入可能、個別株は新NISAの成長投資枠で購入
  • ドルコスト平均法により、時間分散で高値掴みリスクを軽減できる
  • S&P500連動型ファンドは信託報酬が年率0.1%台と低コストで初心者におすすめ
  • 為替リスクと手数料に注意しつつ、長期投資で資産形成を目指す

つみたて米国株式とは何か

つみたて米国株式について、基本的な仕組みを理解しましょう。

(1) 定期的に米国株式に投資する手法

つみたて米国株式とは、毎月または毎週など、定期的に一定額を米国株式に投資する手法です。

投資信託(インデックスファンド)や個別株式を対象に、自動的に購入を行うことで、投資のタイミングを分散できます。

(2) ドルコスト平均法で高値掴みリスクを軽減

つみたて投資では、「ドルコスト平均法(Dollar-Cost Averaging)」という手法が用いられます。

ドルコスト平均法とは、定額を定期的に投資することで、株価が高いときは少なく、低いときは多く買う仕組みです。これにより、平均購入単価を抑える効果が期待できます。

例えば、毎月1万円ずつ投資する場合、株価が高い月は少数の株しか買えませんが、株価が低い月は多くの株を買えます。長期的に見ると、一括投資よりも高値掴みのリスクを軽減できると言われています。

(3) 少額から始められる(100円~1株単位)

つみたて米国株式は、少額から始められるのが特徴です。

  • 投資信託: 証券会社により異なりますが、100円程度から積立可能
  • 個別株: 米国株は1株単位で購入できるため、数千円~1万円程度から積立可能

無理のない金額から始められるため、投資初心者でもスタートしやすい方法と言えます。

つみたて米国株式の2つの方法

つみたて米国株式には、大きく分けて2つの方法があります。

(1) 投資信託(インデックスファンド)での積立

投資信託とは、複数の株式や債券を組み合わせた金融商品です。特に、S&P500指数などに連動する「インデックスファンド」が人気です。

メリット:

  • 少額から積立可能(100円~)
  • 自動的に複数銘柄に分散投資される
  • 信託報酬が低い(年率0.1%台のファンドも多数)
  • つみたてNISAで購入可能

デメリット:

  • 運用コスト(信託報酬)がかかる
  • 個別銘柄を選べない

代表的なファンド:

  • つみたて米国株式(S&P500):三菱UFJアセットマネジメント、信託報酬0.22%
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬0.09372%(業界最安水準)

(2) 個別株式の積立

個別株式の積立とは、特定の米国株(例: Apple、Microsoft等)を定期的に購入する方法です。

楽天証券やSBI証券は「米株積立サービス」を提供しており、毎月または毎週、指定した銘柄を自動購入できます。

メリット:

  • 好きな銘柄を選べる
  • 配当金を受け取れる
  • 株主としての権利を得られる

デメリット:

  • 投資信託よりも分散投資しにくい
  • 為替手数料がかかる
  • つみたてNISAでは購入不可(成長投資枠なら可能)

(3) それぞれのメリット・デメリット

初心者におすすめ: 投資信託(インデックスファンド)

  • 少額から始められ、自動的に分散投資される
  • つみたてNISAを活用すれば非課税で運用可能

慣れてきたら: 個別株式の積立

  • 配当金を受け取りつつ、好きな銘柄に投資できる
  • 新NISAの成長投資枠を活用すれば非課税で運用可能

つみたてNISAと新NISAの活用

つみたて米国株式を行う際、税制優遇制度であるNISAを活用すると効果的です。

(1) つみたてNISA:投資信託のみ購入可能(年40万円、最長20年)

つみたてNISAは、2023年までの制度で、年間40万円まで最長20年間非課税で投資できる制度です。

対象: 金融庁が認めた投資信託とETFのみ(個別株は購入不可)

メリット: 売却益・分配金が非課税

(2) 新NISA:つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)

2024年から開始された新NISAは、以下の2つの枠があります。

つみたて投資枠:

  • 年間120万円まで
  • 投資信託・ETFのみ購入可能

成長投資枠:

  • 年間240万円まで
  • 投資信託・ETF・個別株を購入可能

(3) 成長投資枠で個別株も非課税購入可能

新NISAの成長投資枠を利用すれば、個別の米国株も非課税で購入できます。

例えば、Apple(AAPL)やMicrosoft(MSFT)といった個別銘柄を積立購入し、売却益・配当金を非課税で受け取ることが可能です。

※NISAの詳細は金融庁のウェブサイトをご確認ください。

つみたて米国株式のメリットとデメリット

つみたて米国株式には、以下のメリットとデメリットがあります。

(1) メリット:時間分散、少額投資、自動化、非課税(NISA)

時間分散:

  • 定期的に投資することで、購入タイミングを分散し、高値掴みリスクを軽減

少額投資:

  • 100円~1株単位で投資できるため、資金が少なくても始められる

自動化:

  • 毎月・毎週の自動購入設定により、投資を続けやすい

非課税(NISA):

  • NISA口座を利用すれば、売却益・分配金が非課税になる

(2) デメリット:為替リスク、手数料(信託報酬・為替手数料)、短期利益は期待しにくい

為替リスク:

  • 米国株はドル建てで取引されるため、円高になると円ベースでの資産価値が目減りする

手数料:

  • 投資信託は信託報酬(年率0.1-1%)がかかる
  • 個別株は為替手数料(1米ドルあたり25銭等)がかかる

短期利益は期待しにくい:

  • 積立投資は長期的な資産形成を目的とするため、短期間で大きな利益を得るのは難しい

つみたて米国株式の始め方

つみたて米国株式を始める手順は、以下の4ステップです。

(1) 証券会社を選ぶ(楽天証券・SBI証券・マネックス証券等)

主要な証券会社は以下の通りです。

  • 楽天証券: 楽天ポイントで米株購入可能、米株積立サービスあり
  • SBI証券: 取扱銘柄数5,400超、NISA口座で売買手数料無料
  • マネックス証券: 米国株取扱銘柄数4,000超、情報ツールが充実

(2) NISA口座を開設する

つみたて投資を行う際は、NISA口座を開設することをおすすめします。

NISA口座は1人1口座のみ開設可能で、証券会社を選んで申し込みます。開設は無料で、1-2週間程度で完了します。

(3) 投資信託または個別株を選ぶ(S&P500連動型ファンドが人気)

初心者には、S&P500連動型のインデックスファンドがおすすめです。

理由:

  • 米国の主要500社に分散投資される
  • 信託報酬が年率0.1%台と低コスト
  • 過去50年間の平均年率リターンが約10%(NerdWallet調べ)

代表的なファンド:

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬0.09372%
  • SBI・V・S&P500インデックスファンド:信託報酬0.0938%

(4) 積立設定を行う(毎月・毎週の自動購入)

証券会社のウェブサイトまたはアプリで、積立設定を行います。

設定項目:

  • 積立頻度: 毎月・毎週等
  • 積立金額: 月1万円、月3万円等
  • 購入銘柄: 選んだ投資信託または個別株

設定完了後、自動的に購入が行われます。

まとめ:長期的な資産形成につみたて米国株式を活用しよう

つみたて米国株式は、ドルコスト平均法により高値掴みリスクを軽減しつつ、少額から米国株に投資できる手法です。

次のアクション:

  • 証券会社を選び、NISA口座を開設する
  • S&P500連動型のインデックスファンドを選ぶ
  • 毎月の積立金額を決め、自動購入設定を行う
  • 長期的な視点で投資を継続する(10年・20年単位)

為替リスクや手数料に注意しつつ、長期投資で資産形成を目指しましょう。

よくある質問

Q1つみたてNISAで個別の米国株を買えますか?

A1つみたてNISAでは投資信託とETFのみ購入可能です。個別株を買いたい場合は、新NISAの成長投資枠(年間240万円まで)を利用する必要があります。

Q2毎月いくらから積立できますか?

A2証券会社により異なりますが、投資信託なら100円程度から、個別株なら1株(数千円~1万円程度)から積立可能です。無理のない金額から始めることが重要です。

Q3どの投資信託を選べばよいですか?

A3初心者にはS&P500連動型ファンドがおすすめです。信託報酬が年率0.1%台の低コストファンド(eMAXIS Slimシリーズ等)を選び、長期保有することで複利効果を得られます。

Q4ドルコスト平均法とは何ですか?

A4定額を定期的に投資する手法です。株価が高いときは少なく、低いときは多く買えるため、平均購入単価を抑える効果があります。つみたて投資の基本的な仕組みです。

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Single Stock編集部

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