つみたて米国株式とは何か
「つみたてNISAで米国株に投資したいけれど、どうすればいいの?」「投資信託と個別株、どちらを選べばいい?」と悩んでいませんか?
つみたて米国株式とは、米国株式に定期的に積立投資を行う手法です。ドルコスト平均法により高値掴みのリスクを軽減でき、少額から始められるため、初心者にも適した投資方法と言われています。
この記事では、つみたて米国株式の仕組み、投資信託と個別株の違い、つみたてNISAと新NISAの活用方法、メリット・デメリット、そして具体的な始め方を解説します。
この記事のポイント:
- つみたて米国株式にはインデックスファンド(投資信託)と個別株の積立の2種類がある
- つみたてNISAでは投資信託のみ購入可能、個別株は新NISAの成長投資枠で購入
- ドルコスト平均法により、時間分散で高値掴みリスクを軽減できる
- S&P500連動型ファンドは信託報酬が年率0.1%台と低コストで初心者におすすめ
- 為替リスクと手数料に注意しつつ、長期投資で資産形成を目指す
つみたて米国株式とは何か
つみたて米国株式について、基本的な仕組みを理解しましょう。
(1) 定期的に米国株式に投資する手法
つみたて米国株式とは、毎月または毎週など、定期的に一定額を米国株式に投資する手法です。
投資信託(インデックスファンド)や個別株式を対象に、自動的に購入を行うことで、投資のタイミングを分散できます。
(2) ドルコスト平均法で高値掴みリスクを軽減
つみたて投資では、「ドルコスト平均法(Dollar-Cost Averaging)」という手法が用いられます。
ドルコスト平均法とは、定額を定期的に投資することで、株価が高いときは少なく、低いときは多く買う仕組みです。これにより、平均購入単価を抑える効果が期待できます。
例えば、毎月1万円ずつ投資する場合、株価が高い月は少数の株しか買えませんが、株価が低い月は多くの株を買えます。長期的に見ると、一括投資よりも高値掴みのリスクを軽減できると言われています。
(3) 少額から始められる(100円~1株単位)
つみたて米国株式は、少額から始められるのが特徴です。
- 投資信託: 証券会社により異なりますが、100円程度から積立可能
- 個別株: 米国株は1株単位で購入できるため、数千円~1万円程度から積立可能
無理のない金額から始められるため、投資初心者でもスタートしやすい方法と言えます。
つみたて米国株式の2つの方法
つみたて米国株式には、大きく分けて2つの方法があります。
(1) 投資信託(インデックスファンド)での積立
投資信託とは、複数の株式や債券を組み合わせた金融商品です。特に、S&P500指数などに連動する「インデックスファンド」が人気です。
メリット:
- 少額から積立可能(100円~)
- 自動的に複数銘柄に分散投資される
- 信託報酬が低い(年率0.1%台のファンドも多数)
- つみたてNISAで購入可能
デメリット:
- 運用コスト(信託報酬)がかかる
- 個別銘柄を選べない
代表的なファンド:
- つみたて米国株式(S&P500):三菱UFJアセットマネジメント、信託報酬0.22%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬0.09372%(業界最安水準)
(2) 個別株式の積立
個別株式の積立とは、特定の米国株(例: Apple、Microsoft等)を定期的に購入する方法です。
楽天証券やSBI証券は「米株積立サービス」を提供しており、毎月または毎週、指定した銘柄を自動購入できます。
メリット:
- 好きな銘柄を選べる
- 配当金を受け取れる
- 株主としての権利を得られる
デメリット:
- 投資信託よりも分散投資しにくい
- 為替手数料がかかる
- つみたてNISAでは購入不可(成長投資枠なら可能)
(3) それぞれのメリット・デメリット
初心者におすすめ: 投資信託(インデックスファンド)
- 少額から始められ、自動的に分散投資される
- つみたてNISAを活用すれば非課税で運用可能
慣れてきたら: 個別株式の積立
- 配当金を受け取りつつ、好きな銘柄に投資できる
- 新NISAの成長投資枠を活用すれば非課税で運用可能
つみたてNISAと新NISAの活用
つみたて米国株式を行う際、税制優遇制度であるNISAを活用すると効果的です。
(1) つみたてNISA:投資信託のみ購入可能(年40万円、最長20年)
つみたてNISAは、2023年までの制度で、年間40万円まで最長20年間非課税で投資できる制度です。
対象: 金融庁が認めた投資信託とETFのみ(個別株は購入不可)
メリット: 売却益・分配金が非課税
(2) 新NISA:つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)
2024年から開始された新NISAは、以下の2つの枠があります。
つみたて投資枠:
- 年間120万円まで
- 投資信託・ETFのみ購入可能
成長投資枠:
- 年間240万円まで
- 投資信託・ETF・個別株を購入可能
(3) 成長投資枠で個別株も非課税購入可能
新NISAの成長投資枠を利用すれば、個別の米国株も非課税で購入できます。
例えば、Apple(AAPL)やMicrosoft(MSFT)といった個別銘柄を積立購入し、売却益・配当金を非課税で受け取ることが可能です。
※NISAの詳細は金融庁のウェブサイトをご確認ください。
つみたて米国株式のメリットとデメリット
つみたて米国株式には、以下のメリットとデメリットがあります。
(1) メリット:時間分散、少額投資、自動化、非課税(NISA)
時間分散:
- 定期的に投資することで、購入タイミングを分散し、高値掴みリスクを軽減
少額投資:
- 100円~1株単位で投資できるため、資金が少なくても始められる
自動化:
- 毎月・毎週の自動購入設定により、投資を続けやすい
非課税(NISA):
- NISA口座を利用すれば、売却益・分配金が非課税になる
(2) デメリット:為替リスク、手数料(信託報酬・為替手数料)、短期利益は期待しにくい
為替リスク:
- 米国株はドル建てで取引されるため、円高になると円ベースでの資産価値が目減りする
手数料:
- 投資信託は信託報酬(年率0.1-1%)がかかる
- 個別株は為替手数料(1米ドルあたり25銭等)がかかる
短期利益は期待しにくい:
- 積立投資は長期的な資産形成を目的とするため、短期間で大きな利益を得るのは難しい
つみたて米国株式の始め方
つみたて米国株式を始める手順は、以下の4ステップです。
(1) 証券会社を選ぶ(楽天証券・SBI証券・マネックス証券等)
主要な証券会社は以下の通りです。
- 楽天証券: 楽天ポイントで米株購入可能、米株積立サービスあり
- SBI証券: 取扱銘柄数5,400超、NISA口座で売買手数料無料
- マネックス証券: 米国株取扱銘柄数4,000超、情報ツールが充実
(2) NISA口座を開設する
つみたて投資を行う際は、NISA口座を開設することをおすすめします。
NISA口座は1人1口座のみ開設可能で、証券会社を選んで申し込みます。開設は無料で、1-2週間程度で完了します。
(3) 投資信託または個別株を選ぶ(S&P500連動型ファンドが人気)
初心者には、S&P500連動型のインデックスファンドがおすすめです。
理由:
- 米国の主要500社に分散投資される
- 信託報酬が年率0.1%台と低コスト
- 過去50年間の平均年率リターンが約10%(NerdWallet調べ)
代表的なファンド:
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬0.09372%
- SBI・V・S&P500インデックスファンド:信託報酬0.0938%
(4) 積立設定を行う(毎月・毎週の自動購入)
証券会社のウェブサイトまたはアプリで、積立設定を行います。
設定項目:
- 積立頻度: 毎月・毎週等
- 積立金額: 月1万円、月3万円等
- 購入銘柄: 選んだ投資信託または個別株
設定完了後、自動的に購入が行われます。
まとめ:長期的な資産形成につみたて米国株式を活用しよう
つみたて米国株式は、ドルコスト平均法により高値掴みリスクを軽減しつつ、少額から米国株に投資できる手法です。
次のアクション:
- 証券会社を選び、NISA口座を開設する
- S&P500連動型のインデックスファンドを選ぶ
- 毎月の積立金額を決め、自動購入設定を行う
- 長期的な視点で投資を継続する(10年・20年単位)
為替リスクや手数料に注意しつつ、長期投資で資産形成を目指しましょう。
